BABYMETAL の“年長組”ファンは素晴らしい!の話、その5、最終回。その優れたるコミュニケーション能力を絶賛する

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BABYMETAL の“年長組”ファンは素晴らしい!の話、その5、最終回。その優れたるコミュニケーション能力を絶賛する



(注: これは決して一般論ではない。偏見はないが圧倒的な独断でありw、僕及びその周辺部にまつわる、あくまでも個人的見解にすぎない。したがって、客観性などは微塵もないw 万が一似たようなケースがあったとしても、それは単なる偶然の一致にすぎない)


さて、“その1”から始まったこのシリーズ(一応w)だが、もともとの出発点は、

「果たして BABYMETAL のオッサンファンはウザいのか?」

という問いであった。

それに対し、ウザいどころか、かな~りイケてるという自画自賛的な展開になっていることは明らかなわけで、そういう結論については、実を言うと最初っから決まっていて、ほとんど出来レースというか、八百長というか、詐欺・瞞着のような展開なのである。

暴論上等。
反省無用。
天上天下唯我独尊。

誠に困ったことではあるが、とはいえ BABYMETAL を熱烈に支持する諸兄諸姉が圧倒的に素晴らしいということだけは極めて明確なる事実であり、それは公理系を構成する、すなわち無矛盾性の要求を十二分に満たすものなのである(きっぱり)。

「素晴らしい」というのは、別に一般論的、概念的に素晴らしいということだけではない。

あるいは、

・人格が優れている。
・ベルマークを集めている。
・エアコンの掃除は手を抜かない。
・野良猫を拾ってきて飼っている。
・ギターの弦を処分するとき、ビールの缶に入れて捨てたりはしない

とか、そういう類の素晴らしさにはとどまらない。

つまり、いくらかでも、些少ながらも、

・BABYMETAL のためになるように物事を考え、
・目に見える形で行動し、
・目に見える形でしっかり結果を出す、

というコンテクストで素晴らしいということである。

で。

その5である。

最終回は、年長ファンの、大変に優れたコミュニケーション能力とその偉業について、じっくりと絶賛、礼賛、かつ讃嘆してみたい。

コミュ力といっても、初対面の人と人見知りすることなく話ができるとか、ディスカッションやディベートの場で堂々と持論を開陳できるかとか、そんなことではない。

これまたやはり「ベビメタのためになっている」という観点「から~の」話である。


えてして年長ファンには“教えたがり”が多い。
話し相手に、面と向かって色々あれこれディテールを話すのが好きという。

ファンであることを公言し、機会があればすかさずベビメタの素晴らしさを説いている向きにおいては、それが:
・ランチの場であれ、
・飲み会の場であれ、
・披露宴の場であれ、
・朝礼の最中であれ、
・シャワー中であれ、
スキあらばすぐに布教活動である。
とうとうと、事細かにベビメタの良さや素晴らしさを説く。

これは、いわゆる“口コミ”と呼ばれる所作である。

人類の有史以降、めんめんと続いているであろう、極めて原始的なコミュニケーション手段でもある。

しかるに。

現世はネット全盛のヨノナカである。
フェイス・トゥー・フェイスの場で展開される、リアルな口コミばかりではなく、現代版の口コミも存在する。

すなわち:

FB、ツイッター、G+などのSNS。
ブログや掲示板、諸般のウェブサイト。

これらを通して行われる、ヴァーチャルなコミュニケーションも立派な口コミである。

プロフェッショナルな人々の間では、これが結構重視されているらしい。
具体的には、マーケティングリサーチ会社や、難しいことを研究しているシンクタンクなどが、きっちりとモニターしているという。

なぜ重視されているかというと、それは例えば人々の消費行動を決定するプロセスにおいて、口コミは意外にも影響力が高く、かなり有効と見なされているからである。


我々年長組のベビメタファンは、リアルな手段と共に、これらヴァーチャルな手段を駆使し、BABYMETAL について熱く語りディスカッションする。
ときには論争もする。

“BABYMETAL”を中心的なキーワードとし、周辺部の情報や感想、意見、熱い思いなどを縦横無尽にキイボヲドで打ちまくり、無限大の拡散と膨張とを試みる。

それを見たプロフェッショナルな人たちは「ベビメタすげ~」になり、詳細にわたるアナリストレポートをまとめ上げ、それに影響されたメディアや一般企業、役所などが「おい、ベビメタっていうグループ、ちゃんとフォローしとけや、ゴルァ!」になり、ますます世間一般への浸透が増してゆく仕組みである。

嗚呼、素晴らしい……。

ちょっと待ってよ。
んなもん、ネットへの書き込みなんて、時間のたっぷりある学生だとかフリーターだとか無職だとかの連中だってやってんでショ。
トシ食ってる連中よりよっぽどヒマあんだし。

はいはい、その通り、ベビメタファンの若者の諸君も頑張ってくれてます、頼もしい限りです。

でもね、やっぱり年長者には年長者ならではの特性というか、特徴というか、特筆すべき点があるわけで。

それは例えば、年長者特有の:
・丁寧さ、
・緻密さ、
・マメさ、
などである。

これらが、結構なレベルの違いをもたらすのである。

丁寧さとは、言葉や文章の丁寧さだけではなく、年長者ならではの
『引き出しの多さ』
なども含まれる。
トシの甲と呼ばれることもあるみたいだ。

例えば、「ベビメタは可愛いメタルなのである」という極めて根本的な命題を論ずるときに、80年代にあった“HM”なシンガーたちの話を合わせ技で使ったりする。

浜田麻里
→麻里ちゃんはへヴィメタル。ヘビメタの麻里ちゃん。

本城 未沙子
→日本初のヘヴィメタルクイーン(糸井さ~ん)

早川めぐみ
→メタルエンジェル

イニシャルHMを与えられ、ヘヴィメタルに華を添えた3人。
それまではウルさい、クラい、ホコリっぽいと言われていたゴリゴリのヘビメタに、可愛い殴り込みをかけたのであった。

中でも浜田麻里の活躍はめざましく、いくつかの楽曲は大ヒットとなり広く一般家庭にまで浸透した。

ちなみに、昨年末、12月30日の NHK FM で放送された“メタルゴッドJP”において、BABYMETAL とともにしっかりとフィーチャーされていたのが、ほかならぬ浜田麻里であった。

80年代にはこれら3人の他にも、橋本ミユキ(やはりイニシャルHM)とか、早瀬ルミナ(イニシャルはHR、ハードロック)とか、コアな方々もいた。

とまれこの女性ヴォーカリストたちがやっていた音楽は、ある種のアイドルメタルであったと言っても許容範囲に収まろう。ただし、1980年代の「可愛い」アプローチは、2010年代、ベビメタによる「可愛い」のアプローチとは、その趣きを全く異にすることは、今さら言うまでもない。

なを、HMの女子たちを手掛けた事務所は、その後、ポンポコリンを経たのち、数多くの有名アーティストを輩出、90年代ニッポンのヒットチャートをにぎわすこととなる。

閑話休題

こんな感じでヘヴィメタルに絡むトピックを話に織り込むことによって、過去の例との比較を行い、BABYMETAL の話に広がりと深みを持たせたりするわけだ。

引き出しの多さを生かし、話のスケールとスコープに違いを持たせる。
年長者ファンなら、皆、何気にお得意の手法である。

何てすごいのかしら。

そういえば。
こういうハナシをするときには、過去の洋ものガールズバンド、例えばガールスクールとかラナウェイズあたりを使うのも効果的だ。

あるいは、昭和歌謡にもロックなフレイヴァーを持っていた女性歌手はいたわけで、そうだ、そういえばおととしのフジロックで、夏木マリが苗場食堂ステージに登場、ジャニス・ジョプリンを熱唱していたのを見た僕は、心底感動したものである。

君はまだ20代前半だけど、知ってるかい、夏木マリジャニス・ジョプリンを。

その昔にはね、ゴールデンカップス、タイガースとか、グループサウンズっていうのが活躍していてだね、日本のロックの黎明期につながる礎をだ……。

海外進出の先駆者っていえば、そうそう、ベビメタよりもはるか昔、フラワートラベリン・バンドとか、あとはGSのスパイダーズとかさ、そういう人たちも頑張ってたの、欧米で。

傷だらけの天使』や『探偵物語』だって、TVドラマでロックなフレイヴァーを醸し出していたものよ。
井上堯之さんの音楽は圧倒的にカッコ良かったし、SHOGUN の『Bad City』 なんてめっちゃ渋かったし。

あとはあれ、ツインテールだ。
今、一番旬で有名なツインテールといえば、もちろん“Yui & Moa”だよね。
だけど、今から13~4年前、21世紀に入ってすぐのころには“辻加護”のツインテールが有名でねえ。
もちろん彼女たちはメタルとはまったく無縁、どちらかというといわゆるJポップなアプローチを取っていた。

彼女たちが属していたモー娘や関連グループの曲、『ちょこラブ』や『ラブマ』を、メタルなアプローチのY&Mがカバーしてるっていうのが、何とも素敵なことだし、感動的だし、とっても縁(えにし)を感じさせるんだな。
そういえば、Y&Mが Black BABYMETALなら、辻加護ダブルユーだったんだよ……。

俺がメディアの編集者なら、Y&M+辻加護の座談会とか企画するね、ゼッタイ。


閑話休題、再度。


とにかくこういうハナシんなると、僕自身も決して例外ではなく、つい年長組の特性を発揮してしまい、止まらなくなってしまう。
オッサンを自覚する瞬間w


ところで。

世の中には、会社の上司・同僚等、周囲との関係上、ベビメタファンであることをヒミツにしている方々も少なからずいる。

しかし、そういう方々が「常に」黙っているわけではない。
ふだん寡黙である分、逆にネット上では思い切りはじけまくり、とっても饒舌だったりする。
日ごろの鬱憤を晴らすべく、ネットを駆使して BABYMETAL をホットに語るのである。

今さら言うまでもなく、ネット上で BABYMETAL に言及し、語り合うことは、立派なプロモーション活動、啓蒙活動、布教活動になる。
特に年長者ファンとしては、若者ファンにはない先述の特性を最大限に生かして、今後もどしどし続けて行くべきであろうと思う。

また、年長者たるもの、会社組織などにおいては、諸般の役職に就いているケースも多いだろう。
職務上の権限や特権をフルに利用して、部下や取引先などに BABYMETAL を強要する、無理強いするなどは極めて有効といえよう。

まずはやはりCD/DVDの購入あたりであろうか。
お中元やお歳暮等のお届け物は、もちろんTシャツなどベビメタグッズの詰め合わせを推奨である。
マスクやリストバンド、キツネのお面や尻尾など、諸般の小物も外せまい。

強要や無理強いなどが難しいのであるならば、あくまでもそのような方向で、甘く優しくまったりと導く、正しい方向へ誘導して差し上げるという程度のアプローチでも良いだろう(当社比)。



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ここで一つ、僕の個人的な啓蒙体験談を披歴してみたい。

僕の周囲の連中は、僕がダイハードなwベビメタファンであることを知っている。

日常生活の場において、少しでもチャンスがあれば、遠慮なくベビメタについて語る。
その“オルグ活動”は日常生活の場に限らない。
2~3か月に1回ぐらい、弾き語りやバンドでステージに上がることがある。
そういう場合でも、曲と曲の間のトーク、いわゆるMCと呼ばれる基本動作において、ベビメタの話をさりげなく展開する。

ここでは日常生活の場に於ける経験談を一つ。

去年5月のことだった。西新宿は某Nビル内にあるレストラン。

僕と僕のサラリーマン時代の同期生K、そしてKの会社に勤める20代中盤の女子2名、合計4名で会食したときのことである。

食と酒が進み、程良くほろ酔い加減になったころであった。
Kがニヤつきながら言った。
「(僕を指さし)こいつさ、『ベイビイーメタル』ってゆーアイドルに凝ってんだよ(ニヤニヤ)」
「ベエビー、何ですか、それ?」
うっすらと怪訝そうな顔をして女の子が訊く。
「ベイビイーメタル」
「……知らな~い」

僕はすかさず iPhone 5S を取り出し、『ギミチョコ』のPVを女子たちに見せた。
「こういうの。今すごいんだよ、海外でも人気出始めてるし」
「ふ~ん……」

しばらく眺めていた二人であったが、徐々に前かがみになって行く。
PVの後半、Y&Mがお立ち台に乗って Su と3人でフリを合わせるところ。
下手サイド、客席側からの画になったところで、女子二人の歓声が上がった。
「可愛い~!」

フクザツな顔のK。
破顔一笑、喜色満面の僕(自分の顔は見えなかったが)。
ありあと~。
Kに大感謝であるw

やはりわかる人間にはすぐにわかるのである。
ベビメタの魅力は。

女子2人を前に、僕はすかさずひたすらベビメタの魅力について語りまくった。
口角泡を飛ばす勢いで語った。

2名のうち1名は、今年1月のさいたまスーパーアリーナに参戦するような、立派な“人材”に育ちつつある。
ただ、「彼氏と一緒に」という点が難点であり、僕としては遺憾の意を表したいところではある。
THE ONE には未だ登録していないので、彼氏ともども加入するよう、引き続き伝道して行く所存だ。


そういえば。

ここで少々気を付けるべきことがある。

それは、クドくなるのを決して恐れないということだ。

一般的に見て、年食ってからの麻疹(はしか)はタチが悪いらしい。

んでもって、ベビメタに対する愛ゆえに、年長者特有の丁寧さ、緻密さ、マメさなどが突然変異をきたし、
・しつこさ、
・ねちっこさ、
・クドさ、
となって現れることがある。

年長ファンののめり込み度、本気度は筋金入りの本物であるがゆえの事象といえよう。

かくいう僕なんかもそうだ。
ひとたびベビメタを語らせると、超濃密度の言葉が、超高速でほとばしり出るように発せられる。

しかも、それが長い。
要するにクドい。
酒が入っていたりすると手が付けられないくらいである。

仕事のときにはダラダラしている僕ではあるが、キツネ様がご降臨され僕に憑依されているからであろうか、ひとたび話がベビメタになると、速射砲に変身するらしい。

しかし。

このねちっこさやクドさを恐れてはならない。

なぜならば、かようなるねちっこさやクドさにこそ人々はうるさがりながらも感動し、「こんなオサーンが必死になってるわ、きっとすごいんだわ」になり、揺り動かされ、ちょっち聴いてみよう、YouTube をチェックしてみようという気になるのである。

人間、もし10のことを人に伝えたいのなら、10のことを言っているだけでは不十分であろう。
恐らく1程度しか相手には伝わるまい(経験上)。
10を伝えたければ100を言う。
ねちっこさ、クドさ万歳なのである。

カレー臭をものともせず、相手に近づき、距離を縮め、しっかりとオルグして行きたいものだ。


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さて。

僕の BABYMETAL に対する忠誠心は、鋼鉄よりも堅く強固である。
僕と同じような年長組の諸兄諸姉は多いと思われる(推定伝聞)。

僕にとって、Su-metal は女王であり、Yuimetal と Moametal は姫なのである。

オッサンは若者に比べて先が短い。
その分、濃密度かつ貪欲にのめり込む。

今後もベビメタに関してはハードコアであり続けるだろうし、ストイックさを維持しつつも、ダイハードで行く所存である。

ときにはアンチ(hater)などにも遭遇することもあるが、それもまた Road of Resistance、あるいはメタル・レジスタンスの修行の一部、大いに愉しむべきなのであろう。

BABYMETAL の快進撃はまだ始まったばかりである。
いや、始まりの始まりの、そのまた始まりが始まったばかりなのかもしれない。
ポテンシャルは無限大だ。

まだまだ行くよ!なのである。

メイトの皆様とは、まさに歴史の目撃者、同時代の証言者として、今後もBABYMETAL という稀有のグループを楽しんで行けたらと考える。

というわけで、5回にわたる自画自賛、絶賛、礼賛かつ讃嘆による偽装正論的暴論、あるいは暴論型正論wをご拝読賜り、心より御礼申し上げます。
どうもありがとうございました m(_ _)m

では皆様、ごきげんよう、さようなら (成田着陸寸前の、日系航空会社のアナウンス口調で)。