BABYMETAL やさくら学院の女子たちは、おっさんファンをどう見ているのか? その1

【BABYMETAL やさくら学院の女子たちは、おっさんファンをどう見ているのか? その1】


昨日と今日、4月4日(土)と5日(日)は、さくら学院関連で大きなイベントがあったようで。

ウェブのニュースに上って来るゆいもあ田口野津の写真はまさに神がかっており、「オレも何とか参加したかったな〜」と思うことしきりながら、父兄“初心者”として出来ることは、指をくわえたまま iPhoneツイッターなどを逐一チェックすることだけ。

参加した人たちによる臨場感あふれるツイートに遭遇するたび、羨ましがったり、ひがんだり、地団駄を踏んだり、いろいろと忙しい2日間なのであったw

※(写真は「音楽ナタリー」様より)

さて。

我が BABYMETAL やさくら学院のファンには、おっさんファンも多く存在する。
ライヴ会場に行ったりすると、普段はビジネスマンであろう渋い紳士が、黒のベビメタTシャツを着て同年代と思しきお仲間たちと、いかにも楽しそうに談笑していたりする。
かく言う僕も立派なその一員である。
ビジネスマンの渋い紳士……ではないがw

ベビメタやさくら学院のおっさんファンには実に熱心かつ真面目、献身的な方々が多く、上品さ等を含めあらゆる点においてほとんど満点、女子アイドルのファンとしては最高峰を極めると言っても良かろう。その一員として、僕も実に鼻が高いのである。

それらについては、僕のこのブログでも1月の下旬から2月の上旬にかけて、「おっさんファンは素晴らしい!」シリーズwとして、5回に分けて自画自賛してみた。

んでもって。

最近、個人的ながら非常に気になり出したことがある。

すなわち。

僕をはじめとして、素晴らしいおっさんファンたちを、かの女子たちはどう見ているのか?

という疑問である。

その疑問に対し、僕は僕なりに沈思黙考してみた。
何しろ寝ている間も考えていたので、まさに24時間思考である。

そして。

ある程度正解に近いのではないかというポイントにまで達しつつある昨今、自分の考えをまとめる意味からも、2回ぐらいに分けて書いてみようという趣向である。

「んなこと、何でオマエなんかにわかんの? 本人たちに訊いてみなきゃわかんねえじゃん」

そんな声が聞こえて来そうである。

まあ、それは否定しないw

なぜならば、僕は女子本人たち、当人たちではないので、本当のところはわからない。

しかし、誰かが本人たちに訊いたところで、返って来るであろう回答は至って玉虫色となろう。

何しろ相手はティーンネイジャーとはいえ、立派なプロである。模範的な回答が返って来るのは至極当然なのである。

「いつも応援してくれてありがとうございます。いいえ、トシなんて全然関係ないです。ファンになってくれてるだけで、とっても嬉しいです。これからも頑張りますので、変わらぬ応援、どうぞよろしくお願いします!」

恐らくはこんな感じか。
極めて正しい回答といえようw

考えてみれば。

星の数より多いアイドルファンの中にあって、突出して礼儀正しく、由緒正しいベビメタメイト、またさくら学院父兄さんたちの中に、女子たちに対して「おっさんファンをどう思いますか?」などという愚問をわざわざ持ち出す輩もいないはず。

現実的に考えれば、本人たちと極めて近い業界関係筋がオフレコで訊けるのがせいぜいといったところか。

「オマエ、何つまんね〜こと気にしてんの? オレはそんなこと全然気にしないし、オレが好きでファンやってんだから、向こうからどう思われようと、全然カンケ〜ね〜し」

漢(おとこ)の中の漢のファンなら、さしずめこんな感じか。
いや、ごく普通のファンでもこんな感じだと思う。
本来なら、僕も見習わねばならない。

しかし。

小心者であり、あまり由緒正しくない僕は、すでに大いに気になってしまっていたわけで、我ながら苦笑を禁じ得ないところではあるが、とりあえず自分なりに探ってみようと思ったのであった。

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私事で恐縮だが、途中ブランクは何年間かあったものの、僕は過去、ロックバンドや2〜3人組のアコースティックユニットでライヴ活動を行ってきており、ここ2年ほどはソロで弾き語りの真似事などもやってきた。

まあ、プロフェッショナルな活動ではなく、あくまでもお楽しみの一環、あくまでもアマチュアとしての活動ではあるが、その間には様々なインディーズ系アーティストさんたちとの交流があった。

すなわち、男女の別を問わず、共演した方々、いわゆる対バンの方々とライヴがハネた後、打ち上げで朝まで飲んだり、あるいは一緒にプロアーティストのライヴに行ったり、時にはバイクのツーリングに行ったりとw、色々あったのである。


そういう交流の中では、10代から30代前半ぐらいまでの女性アーティストさんたちと話す機会も少なからずあったわけで、例えばライヴ直後の打ち上げ等においては、皆さん全面的にリラックスモードで、色々とおもしろいホンネ話を聞かせてくれた。
特に、自分のバンドに女子メンバーがいたときには、そのメンバーからも色々聞けたし、さらにはそのメンバーを介してさらに他の女子アーティストさんたちの話が聞けたりして、なかなか興味深い場面もあった。


昨今、ちょっとしたライヴハウスであっても、ごくたまにではあるが、かなりハイレベルな音楽をやっているアーティストに遭遇することがある。

平日にワンマンライヴをやっても50人近く集めたり、週末にやれば100人から150人ぐらいを平気で集めるような女性アーティストもいる。

ベビメタやさくら学院という、メジャーなアーティスト/アイドルと比べれば、ピーナツのような数ではあるが、数千円のチャージを取って、コンスタントに50人や100人を集客するのはかなり難しいことだ。

マチュアとはいえ、そのレベルの女性アーティストになると、ほとんどの場合、固定ファンが付いている。
というか、固定ファンが付かないようなアーティストは、やはり時間と共に淘汰されて行く傾向にあるような気がする。

で、今日び、固定ファンの中に中年から高年、壮年の男性ファンが混ざっているケースは珍しくも何ともない。

おっさんファンといえば、数年前、こんなことがあった。
アーティストはピアノ弾き語りの女子。
音大に通っていると言っていたから、年は恐らく当時二十前後であろう。

5組(ぐらいだったと思う)のアーティストの共演で、トリを飾った彼女、最後の曲が終わり、いったんはステージの袖に引っ込んだ。
そして、アンコールの拍手が鳴り響く中、ニコニコしながらステージに再登場。

そこへファンとおぼしき50代半ばぐらいのおっさんが、千鳥足気味でバタバタと突進して行った。

スネが見えそうな短いズボンの背広を着た、いかにも垢抜けない小太りのおっさんは、とんでもなくどデカイ花束を手渡しながら「ありがとう、良かったよっ!」と絶叫したのである。

花束を渡すという行動自体は別に珍しくも何ともないが、ステージに猛進する姿や大声で叫んだりする姿が何ともちぐはぐというか、かなりの違和感を禁じ得ずといった状況。

客席の一番後ろで立って見ていた僕は「あ〜、良くやるな〜、女の子メーワクだろな〜。恥ずかしくね〜の、オサーン、ダッサ〜、やめれ〜」という気分。

見ている方が恥ずかしかったというか、穴があったらこちらが入りたいという気分であった。
僕が咄嗟に予想した女の子のリアクションは。
赤面し、困惑しながらも、とりあえず花束は受け取る。
であった。

しかるに。

女の子は目を丸くして花束を受け取ると、何とその場でいきなり号泣し始めたのである。
よほど嬉しかったらしい。

花束が大きかったため、それを抱えていた女の子の顔は良く見えなかったが、花束を大事そうに抱えながら、場もわきまえず号泣するシーンは、ちょっと感動的にすらなったわけで。

アンコール曲が歌えるようになるまで数分かかったが、観客席やステージ袖、PA卓など周囲は文句も言わず、というかむしろ微笑ましく状況を見守るというような雰囲気になり、大きな花束をたずさえてステージに突進したおっさんは、歓迎されこそすれ、嘲笑されたり非難されることはなかったのである。

閑話休題

マチュアの女性アーティストの形態としては、完全に一人で独立してやっている場合もあれば、すでに何らかのプロダクションに所属している例もある。

プロダクション付きインディーズアーティストの中には、アイドル予備軍の女子が、人前でのパフォーマンスに慣れるために、ライブハウスを鍛錬というか訓練の場にしているケースも多々あり、なるほどおっさんファンが付くのもうなずける。

ファン側から見れば、まだ萌芽にもなっていないようなアイドルをサポートし、その女の子が成長して行く過程に参加できるわけであるから、メジャーなアイドルを応援するのとはまた別の醍醐味があったりするのであろう。

で、だ。

僕の個人的な経験、つまり対バンで一緒になったインディーズ系の女性アーティストたちと、打ち上げやパーティなどで色々話した経験をたどってみると、彼女たちが一体、中年・高年・壮年の男性ファンをどのように見ているかについて、ぼんやりとではあるが、その輪郭が垣間見えるような気がしたのである。

僕が話したことのある女子たちは、どちらかと言うとアイドル指向というよりは主にアーティスト指向だったから、ベビメタやさくら学院という、メジャーで活躍しているアイドルカテゴリーの女子たちとは異なる。

しかし、インディーズとはいえ、10代〜30代前半の女性アーティストたちが、おっさんファンたちをどう見ているかについては、メジャーを考えるに当たっても、ちょっとしたベンチマーク、あるいはメルクマールになるのではないかと思う。


あくまでも僕個人が聞いたことに限られるし、必ずしも耳触りの良い話ばかりではなかったが、悪い話ばかりでもなかった。


次回以降、2回ぐらいに分けて書いてみようかと思う。

(その2に続く)